2013-08-09

借金総額1000兆円

財務省が3ヶ月ごとに発表する国債や短期借入等を合わせた日本の借金の総額が
今年の6月末時点で初めて1000兆円を超えた。

総額を日本の人口で単純に割ると、
国民1人当たり約792万円の借金を抱えている計算になるんだとか。

現在、消費税増税の足音がヒタヒタと確実に近付いて来ている我が国日本は、
この借金問題が出たところで「増税したいがためのプロパガンダだ」とか、
コレまでに何度も増税話が出てきている一方、
増税せずとも何も問題が起きてないために「上げなくても大丈夫では?」と、
あまり不安視する声が聞こえない。

 「財政破綻したギリシャとかアイルランドの国債自国保有率は低かったけど、
  日本は対外保有率が低くて国内保有率が9割を超えているから健全。」

 「国民が792万円の借金を抱えてるんじゃなくて、
  国が抱えているのであって国民は国債を買ってる側なんだから、
  国民は792万円を国に貸しているんだ。」

 「資産は1500兆円あるから1000兆円の借金はまだまだ大丈夫。」

 「他国への援助金とか債権部分は公表せずに、
  債務部分ばかりクローズアップしてるから借金が目立つだけ。」

 「いざとなれば大金刷ってばら撒けばイイ!
  日銀が国債買い取ればイイんじゃない?」

このような話を耳にするが、果たしてそう楽観的に構えてよい問題なんだろうか?

 

CIAによる調査では対外負債が一番多いのはアメリカで、
その後にイギリス、フランス…と続き、一方の日本は随分と下の方。

日本の国債のほとんどは金融機関や大企業が購入しており、
その購入の元金となるのは日本国内の個人の預金で、
もし日本が借金を返せなくなって帳消ししようものなら、
ある意味、国民が792万円分を背負ったままになることから、
確かに一人当たり792万円という表現はあながち間違いではないのかも?

 

他国の海外投資家による借金と異なるのは確かだが、
預金や不動産等の資産1500兆円のうちの500兆円近くはローン分であり、
国債の資金源であるこれらの資産よりも国の借金の方が上回ってしまうと、
今までなら出来ていた金融機関での購入が出来なくなり、
国内に担い手がいないとなると海外投資家に頼らざるを得なくなる。

日本国民にとっては、貸し手が自国そのものという安心感から、
踏み倒されることはないはずというローリスクローリターンの姿勢で
金利が低くても受け入れられて来たのだが、
「返す目処が立たず借金ばかり膨らむ一方で低金利の日本国債は魅力的ではない」
と考える海外投資家に買ってもらう為には金利を上げなければならなくなる。

金利が上がると返済するためにより多くの資金が必要で、
現在の日本は歳入源の多くを国債に依存していることから、
資金作りのためにまた国債による借金を作らなければならなくなる。

現時点でも毎年の国債利払いを国債から出している自転車操業状態なのに、
どんどん借金が返せない泥沼に嵌ってしまう危険性があるだけでなく、
万が一にも借り手が付かなくなって国債が売れなくなると日本破綻だ…。

その一方で、国債金利が上昇してもすぐに日本が債務不履行に陥ることはなく、
日本が海外に持つ資産から海外勢が日本に持つ資産を差し引いた対外純資産は、
2012年末で22年連続世界一となっていることから、
日本は世界で最も破綻から遠い国である…とまでいう話もある。

 

金を刷りまくって国債を償還すれば解決するという方法は、
円の価値と政府の信用を大きく低下させることに繋がり、
急激なインフレが発生して、物価急上昇することで国民生活は破綻してしまう。

過去にハイパーインフレを起こして、
牛乳1本買うのに数百億、牛肉買うのに数千億必要となり、
レストランで食事すると食事の時間より札束数える時間の方が長く掛かる、
札を数えている合間にもデノミが起こって札が紙くずになる、
そんなジンバブエ共和国という国の例もあることから、
急激なインフレが発生してしまうことを警戒しているのは理解できるから、
簡単に解決できるという話ではない。

 

だからと言ってメディアは、危機に立ち向かうには増税の他に手段はないと煽り、
景気冷え込みそっちのけで今や増税ムード一色なのもいかがなものか?

某有名人がされてたようにマインドコントロールでもされてるんじゃないのか?

一体何が正しくて何が間違っているのか?

なぜ東南アジアに数千億円規模の援助を行っては債務をなかったことにするのか?
なぜ日本よりも上位な経済大国第2位の中国に今尚ODAを続けるか?
なぜ最低賃金で働く人がいる一方パチンコ等で散財する生活保護費が減らせない?
なぜ高給取りな官僚や議員を削減実現しないくせに増税ばかり言うのか?

無駄な削れるコストは一切見向きもせず、
外交では良い顔・甘い顔をしては本来守るべき国民には厳しいことを言う。

 

幾ら増税したところでコスト削減できなければ、借金はこの先増加の一方だろう。

生活が苦しくなっていくことで子供を産めなくなり、
その一方で医療技術が進歩して一層の少子高齢化が加速することが予測される。

国民が崩壊するのが先か、国家が破綻するのが先か、
いずれにせよこのままでは破滅へと進んでいく現状をなんとか出来ないものか?