「光より速いニュートリノを観測した」とされる実験結果について、
別の研究チームが「ニュートリノの速度は光と同等」とする論文を発表。
名古屋大や神戸大、宇都宮大等が参加する国際共同研究グループOPERAは、
素粒子の一つである中性レプトン「ニュートリノ」が、
光より速く飛ぶ実験結果を昨年に発表していた。
実験は、スイス・ジュネーブ近郊にある欧州合同原子核研究機関CERNの
加速器で人工的に作ったミュー型と呼ばれるニュートリノを打ち出し、
約730キロ離れたイタリアのグラン・サッソ国立物理学研究所研究施設の
地下検出器に到着するまでの時間と距離を、
全地球測位システムGPSを使って3年間・1万5千回以上、精密に計測。
その結果、ニュートリノは光よりも1億分の6秒ほど早く到達し、
速度を計算すると真空中の光速(秒速約30万キロ)を
0.0025%(秒速7.5キロ)上回っていたとされる為、
結果が正しければ、「光速より速いものはない」とする
アインシュタインの特殊相対性理論など
現代物理学の枠組みは大きく揺らぐことになると言われていた。
しかし、時間の測定に使った時計の接続などに問題が見つかり、
間違いだった可能性が出ていることから実験を再度行ってみたところ、
ニュートリノと光の速さに明確な差は出なかったと言い、
OPERAは、「光より速い」との実験結果を修正する方針を決めた。
光より速いものは他にあるかもしれないけれど、
現在の技術や理論では感知できない…ってだけのような気がする。
コレからの技術進歩に一層の期待をしましょう。