7世代にわたって綱渡りをしてきた由緒ある家系のニック・ワレンダ氏が
日本時間16日、ナイアガラの滝で史上初となる綱渡りを成功させた。
「世界三大滝」のひとつに数えられる米国とカナダの国境のナイアガラの滝で、
米国側からカナダ側へ約550mの綱渡りを成功させたのは、
18世紀から続く曲芸師一家の「フライング・ワレンダ」として知られる
ニック・ワレンダ氏(33歳)。
1978年、曾祖父であるカール・ワレンダ氏(73歳)は
プエルトリコのサンファンでホテル2棟間に渡した
高さ約37mの綱渡りに挑んだものの失敗したことでお亡くなりになり、
今回成功させたニック氏自身も今年、米ボルティモア市の港湾上での綱渡りで、
あわや落下する危険にあっていたという。
幾ら達人の領域の人と言えども、そのようなミスが起こりうることから、
ナイアガラの滝での綱渡りは1896年に禁止されていたのだが、
ワレンダ氏が米国とカナダ両国当局を2年かけて説得したことで許可された。
ワレンダ氏本人は命綱なしで渡りたかったらしいが、
スポンサーの強い要望で結局身に付けたという判断は正解だったと思う。
生中継していたABCが、
万が一の事態を考慮して5秒遅れで実況放送したことからもわかる通り、
幾らスリリングな体験が出来るとはいえ、誰も惨事など見たくはないのだから。
ワレンダ氏は赤色と黒色の雨具のジャケットを着込み、
強烈な水しぶきと風の中を体のバランスを保つ長い棒を操りながら、
直径約5cm、水面約50~60mの高さに張られた特注の鉄製ケーブル上を
予定していた35~40分を大幅に下回る約25分で渡り切った。
間近で見られるチケット4000枚はわずか数分で完売していたとかで、
固唾を呑んで見守っていた10万人を越える観衆は
拳を高々と上げるワレンダ氏に割れんばかりの歓声と拍手を贈った。
カナダ当局から冗談交じりに求められたパスポートの提示と渡航目的に対して、
ワレンダ氏は「人々を勇気付ける為に来た」と返答。
暗いニュースが多い昨今、ほのぼの…と言えるかわかりませんが、
こういうニュースが流れるとホッとしますね。