2015-12-25

義務なき任意納税

日本国憲法第30条の定めるところにより「日本国民は納税の義務を負う」が、
最近は払いたい人だけ任意に払う「義務のない納税」が流行っている。

ソレは「ふるさと納税」という特定の自治体を選んで寄付する制度のことで、
やったことない人でもこの名を耳にしたことある人は多いのではないだろうか?


寄付と言えば赤い羽根や赤十字といった募金が真っ先に思いつくけど、
ふるさと納税は買い物で出た少額の釣銭を寄付するようなものではなくて、
なんと数万、十数万円規模でも躊躇なく納めているのである。

ソレは国や地方公共団体、特定公益増進法人等に寄付金を支出した場合、
2千円以上の寄付金は特定寄附金税額控除として
一定限度額の範囲内で所得税還付・控除、住民税控除されるようになってる為。

寄付した額のうち2千円は最低でも掛かってしまうわけだが
ふるさと納税を行うと納税先からお礼の品やサービスを得ることが可能となってて、
コレの価値が2千円を超えるモノならばオトクに得られたってことになる。



本来のふるさと納税はその名の通り、
地方から都市に出て稼いでる人が税収の多い現在住んでる都市部ではなく
「税収の少ない故郷に納税して地域活性化しよう」って感じだったんだけど、
PRの意味も含めて寄付者に魅力的なお礼の品やサービスを用意したことで
お得な制度として巷で噂されて爆発的に流行ったのである。

大半の人はお金が幾らあっても欲しいと思うもので、
献身的に数万、数十万円を見返りなしに出費することは皆無だが、
2千円を超える納税分が後ほど還付または控除されるのであれば
欲しい返礼品の為に皆頑張るのだろう(笑)
※還付・控除される額は収入額により上限額が設定されてます。

特に2015年からはワンストップ特例制度で確定申告が不要になったり、
特例控除額の上限が約2倍に引き上げられたことで、
より一層身近に、手軽に利用可能になったことが流行を加速させたのかもしれない。
※特例控除額上限が個人住民税所得割額の約2割に拡充(‘15/01/01適用)
※確定申告不要給与所得者等の場合、寄附先が5団体まで申告不要(‘15/04/01適用)



制度が分かったところでどんな自治体にどんなお礼が用意されているのだろう?

総務省のふるさと納税のページで納税先団体一覧が掲載されているけど、
1つ1つ自治体ホームページを検索して、その中でふるさと納税のページ探して、
どんなお礼の品が幾らの寄付からあるのか見ていくってやり方では
申し込むだけでもかなり骨の折れる大変な作業・・・。

そこで便利なのが、納税先を地域別、お礼の品、ランキング等で一覧表示出来たり、
寄付金状況を一元管理できる下記のようなポータルサイトを利用する方法。


ふるさとチョイス

管理会社:株式会社トラストバンク
掲載自治体数:1788自治体
登録返礼品:50170点


さとふる

管理会社:株式会社さとふる(ソフトバンクグループ)
掲載自治体数:62自治体
登録返礼品:2830点


ふるぽ

管理会社:株式会社JTB西日本
掲載自治体数:65自治体
登録返礼品:8997点


他にも幾つかあるけど、あくまでポータルサイトはふるさと納税の入口に過ぎず、
実際に納税するのはポータルサイトから先の各自治体なので、
自分の一番向いている使いやすいサイトを利用するのが良いと思う。

ふるさとチョイスは他を圧倒する100%全自治体が網羅されていることから、
コレさえ利用すれば見つからない自治体はないワケであるが、
逆に数が多すぎて見にくかったり、若干シンプルさに欠ける点もあるようなので
庶民Sはとりあえずさとふるを利用してみた。

さとふるふるさとチョイスの28分の1程しかなくて
庶民Sの住んでる小さな街のふるさと納税は載ってないないけれど、
欲しいモノは他の市にあるので故郷はスルーさせていただきました(笑)


庶民Sが真っ先に目に付けたのは艶さしと称される霜降りが自慢で
トップレベルの黒毛和牛として君臨するブランド牛の「A5等級の佐賀牛」。

 1.「お礼品・地域から探す」から佐賀牛を探して「カートに入れる」。

 2. [申込数 × 寄付金額] で合計金額を決定して[この地域の寄付手続きへ進む] 。

 3.[利用規約に同意する] チェックして [寄付情報の入力へ進む] ボタンを押下。

 4.寄付者情報の入力、メルマガ受診有無、氏名公開・非公開、
   ワンストップ特例制度の申請について、配送設定、支払方法を決定。

 5.入力情報の確認。

以上の一連の流れで申し込み完了であるが、
一度確定した寄付は間違ってもキャンセルできないので慎重に・・・!

「寄付しようとしてた自治体の選択が1つズレてた」
「寄付がまだできてないと思って2重で寄付してしまった」
「寄付金額を1桁多く設定してしまった」等々
必ず金額、お礼品などの申込情報に間違いないか確認して確定しよう。

「100g1500円位の肉が500g2000円で貰えるなら一度試してみたい」
とワクワクしながら待つこと数日、自宅に約束のブツが無事に届きました\(^o^)/

サシの入った薄切りロースが1枚1枚シートに入ってて見るからに美味そうです(个p个)

すき焼き用の肉として美味しくいただきました・・・(-人-)

さて・・・簡単にふるさと納税を出来たわけだが、
現状は佐賀牛を2万円で買ったのと同じであり、
所得税控除も住民税減額も行われてないのでイマイチオトク感を実感してない。

ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用することで、
所得税からの控除は発生せずに翌年6月以降に支払う住民税の減額
という形で控除されるはずなので、来年確認できたら追記するとしよう。

なお、庶民Sが選んだ佐賀県はネットで特例申請可能な自治体に入っておらず、
ワンストップ特例申請書を郵送で自治体に提出する必要があるものだった(ノ∀`)

なんとも面倒臭いところを選んでしまったものであるが、
知識として初めに1つ位は試しておくのはアリだと思うし、
ブログネタとして書いておくことも出来るわけだから無駄じゃなかったかな。

提出する用紙をPDFダウンロードして82円切手を貼った封筒で郵送すると、
2週間ちょいで佐賀県税務課から下記の寄附金受領証明書が届いた。

ワンストップ特例の該当要件に当てはまる限りは送られて来なくても問題ないけど、
5団体以上に寄付したり、年間10万円以上の医療費があったり、
副業で20万円以上稼いでたりして別途確定申告が必要な場合は
この寄附金受領証明書が必要になるので無くさないように保管しておきましょう。

同一団体に複数回寄付した場合、その都度申請する必要があるので要注意。

あと、幾ら寄付しても実質負担が2千円になるわけではなくて、
所得金額の他に家族構成や住宅ローン控除有無等でも寄附金控除上限額が変わる為
ふるさと納税ポータルサイトに置かれてるシミュレーター等で計算すると良い。

単身給与者の場合の大体の上限は下記の通りとなってるので目安にすると良いが、
今後の制度改正等で変更される可能性もあるので気を付けよう。

所得金額 寄附金上限
200万円 15,000円
300万円 28,000円
400万円 43,000円
500万円 61,000円
600万円 78,000円
700万円 109,000円
800万円 132,000円
900万円 153,000円
1000万円 178,000円


※2016年6月の追記情報※

今まで大して気にしたこともなく、
5月の給与明細と一緒についてきてた市民税・府民税の通知書を
ここまで心待ちにしたことはなかった。

ホントに控除されてたのかずっと気にしてたから当然のことなのだが・・・。

直近5年分の
「給与所得等に係る市民税・府民税 特別徴収税額の決定・変更通知書」
とを見比べてみると、
税額・市民税の税額控除額⑤が+10802円、
税額・府民税の税額控除額⑤が+7201円となってることを確認。

また、去年度よりも課税標準総所得は約5万円アップしていたが、
6月から翌年5月までの納付額は去年より-12200円となってた。

計算方法がややこし過ぎて細かな内容は分からないのだが、
今回の2万円分の寄付が影響したことは間違いなさそう。

今回のやり方で間違ってなかったことが証明されたわけだし、
見返りを求めた寄付はいかがなものかとも思う部分はあるけど、
これからもどこかしらの自治体に寄付しちゃいたいと思います。